NISA口座の乗換えについて

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 さっそくですが、みなさんは2015年にNISA口座に関する制度が変更になったことはご存じですか?実は、新たな制度では、毎年NISA口座の乗り換えが可能になるのです。従来の制度では、口座開設後4年間は乗り換えることはできませんでした。この変更によって、以下のような失敗をした方が救済されることになります。

■近くの銀行員の方に勧められて口座を開設したものの、よくわからない投資信託しかなかった…。
■大手店頭証券会社で口座を開設したものの、株の手数料が高くて失敗した…。
■NISA口座を開いた金融機関では、買いたい商品(株・投資信託)を取り扱っていなかった…。

 

 このように、開設先の銀行の条件をよく見ないまま口座を作ってしまった方も多くいらっしゃると思います。次こそは失敗しないように、慎重に選びましょう!ということで、乗り換えの説明をする前に、「失敗しないNISA口座の選び方」から学んでいきましょう。

 

1.失敗しないNISA口座の選び方

 

 「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」ということわざがあるように、NISA口座の開設で失敗しないためには、金融機関のことをよく知る必要があります。私たちにとって身近な存在である銀行でNISA口座を作る方が多いようですが、実は次のようなデメリットがあるのです。

銀行では株取引ができない
投資信託の取り扱い数も非常に少ない
③投資信託の購入時手数料(販売手数料)が高いことが多い

 このように、銀行でNISA口座を開設したとしても、制限が多すぎて思うように取引ができません。まじめに資産形成を目指す方にとっては、株取引ができて、投資信託の取り扱いも豊富な“証券会社”からNISA口座を作るべきです。また、銀行へ行ってもこういったデメリットは教えてくれないので、事前に知識があるかどうかが、資産形成の成功のカギを握っています。

 

 さて、証券会社も大きく2種類に分けられます。1つ目は野村証券や大和証券などの店頭証券、2つ目は楽天証券や松井証券などのネット証券です。名前が売れている有名な“大手証券”の方が安心感があるように思えますが、ネット証券もきちんと管理が行き届いています。また、手数料の面でも、株式売買手数料はネット証券の方が圧倒的に安いです。仮に、100万円株取引した場合、野村証券で計算すると、11,967円になります。一方、楽天証券の場合、たったの609円です。1万円以上も手数料に差が出るので、大手証券を選ぶのは賢い選択とは言えませんね(手数料は税抜です)。

 

 一方、投資信託についてみてみましょう。購入時手数料が無料となる投資信託の取り扱い本数も、店頭証券である野村証券は81本、ネット証券であるマネックス証券は246本と大きな差があります(2014年11月現在)。購入時手数料は3%以上(100万円買ったら、3万円!)かかることもザラなので、それが無料になるというのは、投資家にとって嬉しいことですね。また、このことは投資家への“おもてなし”と捉えることもできるので、手数料無料の投資信託(ノーロード投信)が多いネット証券の方が、サービスが行き届いていると言えるでしょう。

 <NISA口座での取り扱い金融商品とその特徴>

ネット証券 取り扱い商品 特徴
国内 外国 投信 積立
楽天証券 sirusi1 sirusi2 sirusi2 sirusi2 ・2015年末まで株式売買手数料完全無料
・金融商品の取り揃え◎
マネックス証券 sirusi2 sirusi2 sirusi1 sirusi2 ・2015年から株式、投資信託、
 米国ETFの購入時手数料実質無料
・金融商品の取り揃え◎
松井証券 sirusi1 batu2 sirusi2 sirusi2 ・株式売買手数料永年完全無料
(通常の口座でも50万円以下の取引は無料
・投資信託は100円から積立が可能
SBI証券 sirusi1 sirusi2 sirusi2 sirusi2 ・2015年末まで株式売買手数料完全無料
・金融商品の取り揃え◎
ライブスター証券 sirusi2 batu2 san batu2 ・株式売買手数料、最安値水準
・証券口座開設で本プレゼント
・投資信託の取り扱いは2本のみ
店頭証券
(野村・みずほなど)
san san san san ・株式、投資信託ともに、手数料が高い
銀行全般 batu2 batu2 san san ・株式の取り扱いはない
・投資信託は種類も少なく、手数料が高い

 

2.乗り換え(口座変更)の具体的な手続き方法

 さて、NISA口座を変更するには、具体的にはどのようにしたらいいのでしょうか?手続きには、大きく分けて2つのパターンがあります。

【1】 2014年に開いたNISA口座はそのまま残して、2015年からは違う金融機関のNISA口座を利用する。
【2】 2014年に開いたNISA口座は廃止して、2015年からは違う金融機関のNISA口座を利用する。

【1の場合】
 2014年にNISA口座を開設した「A金融機関」から、2015年は他社の「B金融機関」でNISA口座を移設して利用する場合です。この時の手順は、以下のようになります。

①「A金融機関」へ「変更届出書」を請求し、『勘定廃止通知書』を受け取る。
②「B金融機関」にNISA口座開設に必要な書類と、「A金融機関」で受け取った『勘定廃止通知書』を提出する。

※「A金融機関」のNISA口座で買付けた上場株式などは、引き続き「A金融機関」で非課税期間内(最長5年間)の保有または売却が可能です。
※2014年に「A金融機関」で買付けた上場株式などを、他社のNISA口座に移すことはできません。
 また、2016年に再度「A金融機関」でNISA口座を設定することも可能です。

 

NISA変更手続き
                                                (参考:auカブコム証券)

 

【2の場合】
 2014年にNISA口座を開設した「A金融機関」を廃止し、2015年は新たに他社の「B金融機関」でNISA口座を開設しようとする場合です。

①「A金融機関」へ廃止手続きを行ない、『非課税口座廃止通知書』を受け取る。
②「B金融機関」にNISA口座開設に必要な書類と、「A金融機関」で受け取った『非課税口座廃止通知書』を提出する。

※「B金融機関」で開設をする時には、再度住民票の提出は不要です。

 

NISA変更手続き
                                                (参考:auカブコム証券)

 

3.NISA乗り換えに関するQ&A

Q.「非課税口座開設届出書」はどうやったら手に入るの?
A.総合口座を作った後に、証券会社に「他社からNISA口座を移したい」旨を伝えれば、届出書を郵送してもらえます。
Q.銀行でNISA口座を作ったが、2015年からはネット証券(口座未開設)に乗り換えたい。
A.まず、銀行に連絡して、NISA口座の「変更届出書」を送ってもらいましょう。(その間に、希望するネット証券で口座開設しておくとスムーズです。) 変更届出書を銀行に返送すると、「勘定廃止通知書」が送られてくるので、この書類と、ネット証券から取り寄せた「非課税口座開設届出書」を同封して送るとNISA口座の移動ができます。
Q.120万円の買付け可能枠はどうなりますか?
A.金融機関を変更すると、その年の120万円の買付け可能枠も次の金融機関に引き継がれます。前年の残枠を繰り越したり、買付可能枠を分散することはできません。
Q.変更後、以前のNISA口座で保有している上場株式等はどうなりますか?
A.NISA口座で保有している上場株式等は引き続き元の金融機関で管理されます。また、売却は可能ですが、元の金融機関のNISA口座で新たに買付けすることはできません。

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